Introduction イントロダクション

INTRODUCTION OF FOUR RHYTHM ACROSS THE BLUE

反重力を発生させるシューズ、通称“グラシュ”の発明により、人が簡単に空を飛ぶことが出来るようになった世界。久奈浜学院に転校してきた倉科明日香は、同級生の鳶沢みさき、日向晶也達との出会いを通じて、グラシュを使った新興スカイスポーツ『フライングサーカス』(通称FC)を知り、その魅力に惹かれていく。学院のFC部に入部した明日香は、仲間達と共に、時にはぶつかり、励まし合い、それぞれの目標に向かいながら、強力なライバル達に立ち向かっていく――。―目指すは、夏の大会。
What is Flying Circus?フライングサーカスとは?フライングサーカスはグラシュを利用した新興スカイスポーツである。競技者は専用のスーツとグラシュに着替え、縦横飛行可能領域の中を飛び回り、制限時間内にどれだけ多くのポイントを獲得出来るかを競う。
Glossary フライングサーカス用語集
GLOSSARY ABOUT FLYING CIRCUS
  • 反重力子・アンチグラビトン

    数十年前に発見された、地球の重力に反発する粒子。 反重力を発生させる反重力装置は、小型化には成功しているが大型化はできていない。 また、大型化しても出力は変わらない為、空飛ぶ車のような物は存在しない。

  • アンチグラビトンシューズ

    反重力装置が内蔵された空を飛べる靴のこと。略して『グラシュ』とも呼ばれる。 航空法との兼ね合いで、民間レベルでの自由使用には制限が多いが、一部の地方都市では実験的に使用が解禁されている。四島列島もその一例。 一般用とフライングサーカスで使われる競技用がある。

  • 起動キー

    グラシュは電源を入れるだけでは飛べず、設定された起動キーを発声することで飛ぶことが出来る。 初期設定では「FLY」に設定されているが、任意の言葉に変更が可能。

  • 一般用グラシュ

    普段の生活で使用するグラシュ。デザインは基本的に普通の靴とあまり変わりなく、靴底や踵部分にグラシュとしての機能を搭載している。

  • 競技用グラシュ

    フライングサーカスの試合で使用される専用のグラシュ。飛ぶことに特化しており、通常用のグラシュより見た目が個性的。スピーダー用、ファイター用、オールラウンダー用の三種類がある。

  • 指導員

    グラシュの使用を認可している自治体では、『限定区域飛行指導員制度』を定めている。
    これは自治体から認可を受けた人物が、グラシュを使った飛行を初心者に任意で指導する取り決めであり、指導員は自治体から指導の資格を得ている人のことを指す。

  • ペアリング

    1セットのグラシュを使って、2人で飛ぶこと。
    グラシュの起動時に、手を繋ぐなどしてグラシュを起動する人と触れ合っていれば、一緒に飛んだりすることができる。 なお、反重力子同士は反発し合うので、お互いのグラシュが起動している状態では手を繋いだりすることはできない。

  • 停留所

    島の公道に設置されたグラシュ専用の停留所。
    空を飛ぶ際にはここから飛ぶように指導されている。 グラシュの充電を行えるスタンドも備え付けてある。

  • メンブレン

    グラシュを起動したときに発生する反重力子の膜のこと。視認は不可。 これが体を覆うことで、反重力により空を自由に飛ぶことができる。

  • フライングサーカス

    グラシュを用い、空中で行われるスポーツ。Flying Circusの頭文字を取って、「FC」とも呼ばれている。 試合は1対1で行われ、10分の制限時間で集めた得点を競い合う。

  • フライングスーツ

    フライングサーカス用に考えられた飛行特化スーツ。袖の部分は万が一故障等で海に落ちた際などに浮き袋になるようになっている。

  • メンブレンの反発

    反重力子同士はお互いを弾き合う性質がある。 そのため、グラシュを起動している人のメンブレン同士が触れ合うと2人とも弾かれることになる。 フライングサーカスは、こうしたメンブレンの特性を利用したスポーツになっている。
    この性質により、グラシュを両足とも起動すると反発するので、普段は片足だけ起動している。もう片方は故障時の保険。

  • セコンド

    フライングサーカスの試合中に、地上からヘッドセットで選手に指示を出したりアドバイスをする役割。 フライングサーカスは地上で行うスポーツと異なり、立体のフィールドで行われ、360度どこに相手がいるかわからないため、相手を見失うことが多い。それを防ぐ目的でセコンドが認められている。 もっとも基本的な役割は対戦相手を見失わないように選手に指示を出すことである。

  • ポイントフィールド

    競技用グラシュを使って飛行中、背中をタッチされると出現する。 これはフライングサーカスにおいて、背中へのタッチでポイントを取ったことを、観客や審判にわかりやすくするためのものである。

  • コントレイル

    グラシュの踵部分から放たれる光のこと。

  • エアキックターン

    フライングサーカスで使われる大技の1つ。
    まるで空中を蹴ったかのように急な方向転換を可能にする高等テクニック。 かなりの技術を必要とし、難しい技と言われている。

  • ショートカット

    ブイへのタッチを諦めて、次のラインへ移動すること。
    単純にスピードが速いほうがブイタッチし続ける展開になるのを防ぐルールである。
    ショートカットした場合、一度相手選手と交差するか、相手にタッチしなければその次のブイへのタッチはできないので、必然的にライン上で待ち構えることになる。 1ラインではなく、2ライン、3ラインのショートカットも可能。

  • バランサー

    グラシュに組み込まれている飛行姿勢を安定させるための補助機能。

  • スピーダー

    ブイタッチによる得点を狙っていくタイプ。
    急な方向転換は苦手。初速が遅く、最高速が速い。
    スピードに乗ってしまえば、一方的な試合展開になることもある。

  • ファイター

    相手の背中をタッチすることで得点を狙っていくタイプ。
    小刻みな動きが得意で、初速が速く、最高速度は遅い。

  • オールラウンダー

    ファイターとスピーダーの中間的な存在。
    ブイを狙ったり、相手の背中を狙ったりと臨機応変に戦い方を変えていくスタイル。

  • シザーズ

    前方に飛行しながら、左右へ急旋回を繰り返し、ジグザグ軌道を描くテクニック。
    背中を追われているときに行えば、相手を前方に押し出せる他、待ち伏せを突破する際のフェイントに使われることもある。

  • ドッグファイト

    フライングサーカスにおける背中の奪い合いのことで、激しい攻防戦が繰り広げられるため、競技最大の見せ場でもある。
    反重力の影響で互いに触れ合った瞬間に双方とも弾かれるので、弾く方向が試合展開に絡み、戦略性も必要となる。 元々は戦闘機同士の戦いで背後を取り合う様が、犬の喧嘩に似ていることから名付けられた。

  • ローヨーヨー

    主に初速が遅いスピーダーが初速を得るために、下降してスピードを上げてから上昇することで、より早く速度を上げることが出来る。

  • ハイヨーヨー

    頭を上げて上昇する動き。重力に逆らう形になり、減速する。
    急上昇による失速で、背中を追ってきている相手を自分の前に押し出し、急降下で加速しながら背中を狙うといった状況で使われる。

  • フィールドフライ

    正しい飛行姿勢を身につけるための基礎練習。

  • キリモミ

    体を回転させながらの飛行。
    ドッグファイトを仕掛けられた時、回転することによって相手に触られにくくするためなど、防御的に使われることが多い。 。

  • リバーサル

    上にいる相手をかわして、逆に自分が上を取るテクニック。

  • コブラ

    飛行中に急ブレーキをかけ、すぐに飛行姿勢へ戻して加速する技。
    その見た目が、首を広げて威嚇するコブラに似ているところから、こう呼ばれている。
    エアキックターンと同じようにメンブレンのコントロールを必要とするが、コブラはより高度な技術が必要となる。

  • スイシーダ

    真上から相手を水面に叩きつけるように弾いて、動きを止める荒々しい技。
    ルールに則った技なので、反則にはならない。

  • バードケージ

    乾沙希とイリーナの見せた戦法。
    常に相手より上のポジションをキープして、まるで鳥かごに閉じ込めたかのように試合を支配する。
    相手を思い通りに動かすためには非常に高度な技術が必要となり、これまでに乾沙希、イリーナたち以外でこの戦法を行った者はいない。